P.K.G. MAGAZINE | パッケージを考える

NEWS

<7月31日まで> オンライン・デザイン相談、期間を延長します!

先日ご紹介しました無償のオンライン・デザイン相談の期間を7月31日まで延長します!
また会議形態もZOOMに限らず、ご希望に沿った形でお伺いします。

商品企画、ネーミング、プロダクト、パッケージ、ブランディング、コーポレートアイデンティティ、店舗設計、市場戦略、デザイン経営など、どのような話題でもOKです。
日頃デザインやものづくりで悩まれていることをぜひ私たちにお聞かせください。

【オンライン・デザイン相談/お申込み方法】
https://www.pkg.tokyo/
上記ウェブサイトContactフォームから「オンライン・デザイン相談希望」へ
「希望日時を3候補」記載(月〜金 10:00-18:00のうち40分程度)の上お申込みください。
先着順で日時優先確定させていただきます。

【オンライン・デザイン相談/内容】
・事前にヒアリングシートへご回答いただきます。
・時間/40分程度(15分ヒアリング+20分アドバイス+予備5分)
・方法/ZOOM、GoogleMeet、Skypeなどご希望に応じて
・人数/複数参加可能。

どうぞこの機会を活用し、お気軽にご相談ください!ご連絡お待ちしております。

P.K.G.Tokyo:天野和俊

NEWS

今こそ、オンライン・デザイン相談を。今だから、無償で。

今まさに、日本のあらゆる地域で、変わらずものづくりをしたい、もっと人々に届けたい、と強い思いで事業を続けている企業が星の数ほどあると想像します。特に私たちは、日本の企業の99.7%を占める中小企業こそ、そのような志を持って企業活動をしているに違いないと思っています。

日本がこの新型コロナ禍を乗り越え、より親密な運命共同体となった時、これまでとは少し違った新しい世界が待っていることを想像してみましょう。その新しい世界では、現存する商品やサービスがこれまでと同じ価値を維持することができるのだろうか。あるいは、今まで鳴かず飛ばずの商品やサービスにも新しい価値を見出される世界が待ってやしないだろうかと。

今、企業家や企業における商品やサービス開発の中心を担う方々が抱える見えない不安を、新しい世界における希望へと変換するために、私たちP.K.G.Tokyoはオンライン・デザイン相談窓口を設けます。商品企画、ネーミング、プロダクト、パッケージ、ブランディング、コーポレートアイデンティティ、店舗設計、市場戦略、デザイン経営など、どのような話題でもOKです。

P.K.G.Tokyoディレクターが聞き役・指南役となり、40分のWeb会議をフル活用したオンライン・デザイン相談です。外出自粛の今だからこそ、5月6日までの受付分は無償で、少しでも多くの方に貢献できればと考えます。

【オンライン・デザイン相談/お申込み方法】
https://www.pkg.tokyo/
上記ウェブサイトContactフォームから「オンライン・デザイン相談希望」と「4〜5月の希望日時を3候補」記載(月〜金 10:00-18:00のうち40分)の上お申込みください。先着順で日時優先確定させてただきます。

【オンライン・デザイン相談/内容】
・事前にヒアリングシートへご回答いただきます。
・時間/40分(15分ヒアリング+20分アドバイス+予備5分)
・ウェブ会議はZOOM(パスワードつき)を使用の予定。
・複数人参加可能。

これまでデザインなど利用してこなかったが、これからでもデザインを活用できるだろうか?というお話も喜んでお伺いします。ご応募はお気軽に!

P.K.G.Tokyo:天野和俊

NEWS

「UMESHU THE AMBER」が発売されました。

リカー・イノベーション株式会社から、新商品「UMESHU THE AMBER」が発売されました。
厳選された梅を使用して、年代ごとに異なる味わいを醸す3種のヴィンテージ梅酒のセットです。

梅酒にヴィンテージ、あまり聞きなれない組み合わせです。
通常の梅酒は、傷がついてしまったり通常の出荷が難しい商品をお酒にする場合が多いそうです。今回の「UMESHU THE AMBER」は山本譲氏が丹念に仕上げた正規の南高梅を贅沢に使用。こだわりの素材をヴィンテージで仕上げたため、香りの華やかさや味わいの深みが従来の梅酒と段違いです。それでいてえぐ味のないスッキリとした後味で飲みやすさもあります。私は初めてひと口含んだ瞬間に思い描いていた梅酒の味わいとの違いにびっくりしました。また飲み口のまろやかさや口に含んだ時の鼻に抜ける香り、3種それぞれに個性があり、その日の気分に合わせて永く楽しめるセットになっています。梅酒好きはもちろん、普段はウィスキーや日本酒を嗜まれる方にもお勧めできる味わいです。

今回はネーミング・コンセプトからP.K.G.Tokyoで考案しています。年代ごとに違う琥珀色がキラキラと美しく、それを生かした作品にできればと考えていました。従来の梅酒より、ちょっと大人な味わいと琥珀色を表現した「UMESHU THE AMBER」という商品名にさせていただきました。パッケージは梅の産地、紀州に伝わる伊勢型紙の文様をあしらいました。文様から抜ける液色の色を楽しめるよう、ラベルは白一色で抜き加工を施しています。

昨年「令和」に元号改正がありました。出典は「万葉集」の梅花の歌、三十二首の序文からだそうです。新しい時代の始まりにぴったりな少し贅沢な梅酒です。大切な人や自分への贈り物として、楽しんでみてはいかがでしょうか。


KRAND/EC特設ページ UMESHU THE AMBER

P.K.G.Tokyo :白井 絢奈

NEWS

『パッケージデザインコンテスト北海道2018』受賞

2019.06.20

『パッケージデザインコンテスト北海道2018』にて、P.K.G.Tokyo 天野和俊「じっくり、乾燥鍋。いしかり」がグランプリを、横田栞「真鱈のぽんたら」が奨励賞を受賞いたしました。このコンテストは、北海道内の中小企業から実際に販売されている10商材をお題とし、全国からデザインを募集。受賞作品の商品化に向けたフォローアップを行います。

今回グランプリに選定された乾燥石狩鍋セットも商品化が決定しており、ゴールデンウィークに発売となりました。

天野和俊「じっくり、乾燥鍋。いしかり」 横田栞「真鱈のぽんたら」展示会・表彰式
2月23日~28日に札幌文化芸術交流センターで開催された展示会では、全国からの応募作品を多数展示していました。https://www.hkd.meti.go.jp/hokip/package2018/package.html

COLUMN

現代のデザイナーはフィニッシュも手がけるコンサルタント。

2018.01.21

◎デザイナーが商品開発に参加する意義

皆さんは「鑑賞教育」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。もしかしたら初めて耳にする方も多いかもしれません。それは、図工や美術のように技術的なことを学んだり表現したりするのではなく、美術作品を「観る」行為を通して、観察力や洞察力、その作品を自分なりに論ずるなどのコミュニケーション能力を養うカリキュラムのことです。
私が初めてこの言葉を知ったのは美術出版エディケーショナル(当時は美術出版サービスセンター)さんの教材のお仕事でした。当時、「鑑賞教育」というものに特化した商品はほとんど存在せず、それらを実践していく学校の先生方も、どうやって授業をすればいいのか手探りの状態でした。生徒に美術作品を見せようにも、近くに美術館がある地域ばかりではなく、ニーズとして「鑑賞教育教材」が求められているにもかかわらず、それに応える商品がない。そうしたニーズを背景に、「鑑賞教育教材」の商品開発がスタートすることになったのです。

当初、私が受けた依頼を端的に言えば「教材用カードとその使用マニュアルをファイルのようなものに入れ書店等で販売したいので、その表紙をデザインしてほしい」というものでした。その時に感じたのはオーダーの難しさと商品のポテンシャル、そして担当の方々の開発に対する熱量でした。いただいたお話は限られた予算の中、せめてちゃんとした格好をさせて送り出してあげたいという親心のような気持ちから、何とか表紙だけでもデザインしてくれないかというお話だったと思います。

しかし逆に言えば表紙だけという制約は難しい。表紙だけ取り繕ったところで、そのポテンシャルを埋もれさせてしまう表面的なものになりやしないだろうかとも感じていました。見た目を美しく整えるスキルを期待されることは嬉しくもあるのですが、本来あるべきデザイナーの役割は「答えを可視化すること」だと私は考えています。
目的を共有して、霧を晴らし、ここがゴールですよとフラッグを立てるのが仕事。(厳密に言えばゴールではなくスタートポジションなのですが)「一度、こちらで考えさせていただけませんか?」。こういった経緯で「鑑賞教育教材」の商品化をテーマに、自分なりの回答を提案することとなります。

まず最初に着手するのはネーミングです。ブランディングにおいてネーミングは、最もはじめに決めなければいけない最も重要なこと。思案の結果「SCOPE」という名前に決めました。鑑賞教育のテーマは「観る」。ただ漫然と絵を見るのではなく顕微鏡や望遠鏡を覗き込むように、生徒が積極的にディテールを観察し、気づきを得て作品の意味を「観る」ためのスコープなのです。ちなみに、気づいた人もいるかもしれませんが、「SCOPE」のロゴタイプには「CとO」で表現した「覗き穴」を潜ませました。普通の名前が普通のロゴタイプにならないための表現上のアクセントであり、ちょっとした遊び心でもあります。名前とは不思議なもので、それが決まると「彼」のことをみんな名前で呼び出します。ネーミングとはコンセプトという中核を切り出す行為。名前をつけることで、漠としてふわふわしていたものが、急に目的を持った存在に変わるのです。

こうしてベクトルが定まれば、ここからようやく一般的に「デザイン」と呼んでいるフェーズです。このフェーズで最初に考えたのは「教材用カード(ポストカードサイズ)とその使用マニュアルをどう収納したものにするか」という課題でした。グラフィックではなく形状の課題です。当時私は、どうもファイル状になることに商品的な魅力を感じられませんでした。エンドユーザーである先生方が手にした時、何か良いものを買った時に感じる高揚感みたいなもの。ワクワクするとまではいかなくても、ちゃんとしたものを買ったという安心感。それがファイルには感じなかったからです。資料集のようなその見た目では、自分だったら本棚にしまいこんで忘れちゃうなと。
そこで私はDVDボックスのような所有感と存在感のあるパッケージにしようと考えました。スリーブボックスを棚に並べて、どうせならコンプリートしたいと思えるような統一感のある箱。もちろん「SCOPE」は教材なので学校の職員室にあってもおかしくない顔つきをしている必要がありますが、先生方も学校を出れば当然一消費者。お気に入り映画のDVDボックスを棚に飾る感覚で買ってもらいたいと考えました。ここまで決まれば、あとは紙工作の時間です。
収納されるもののサイズから逆算して箱の大きさとギミックを考え、サンプル箱の試作を繰り返しました。ちなみにサンプル段階と最終形状はほぼ同じ形で、提案段階から非常に合理的なボックスを提案することができました。

そして、この提案で最も重要だったのは「商品群」としての可能性を広げることでした。これはブランディングの醍醐味だと思うのですが、ブランドはロゴタイプ(ネーミング)を旗印に次々と商品展開をしていきます。もちろんそれはブランドとして確立されているからこそできることなのですが、「SCOPE」もある程度は最初の段階から群としてのボリュームが欲しいと感じていました。「SCOPE」は販売当初からポストカードエディションだけでなく、デジタルデータエディションがあり、実はこれもプレゼン段階から「SCOPE」を商品群化するために取り込んだものです。
このプロジェクトのお話をいただいた時にもうひとつの可能性を伺っていました。少し大人の方々は経験があるかもしれませんが、学生時代に「スライド」なるものを見たことがある方も多いのではないでしょうか。ポジフィルムをマウントに入れスクリーンに投影するアレです。プロジェクターのなかった時代は、みんなこれをカシャカシャと一枚ずつ映していました。個人的にはノスタルジックで好きですが、フィルムという媒体自体がなくなっていくことや保管の大変さから、現代の教育現場からは姿を消しました。伺ったお話は、美術作品が撮影された大量のスライドを編集して現代のメディアに対応できるようにデータ化。それを鑑賞教育教材にしていけないだろうかと考えている、というものでした。
そこで、私はその可能性を「SCOPE」に取り込み、一連の商品群としてパッケージ化することを提案しました。何となく同時平行で進行していた同じテーマの別の話。それが「SCOPE」を媒体にすることでひとつの大きな商品群として広がったのです。その商品群を一貫したトーンアンドマナーを持ったパッケージデザインとしてプレゼンテーション。霧の中、みんなが何となく探していた「答え」を、具現化できた瞬間でした。

細かなグラフィック上のこだわりやディテールの話は長くなるので割愛しますが、その後「SCOPE」は無事デビューに至ります。結果、ここまで商品然とした鑑賞教育教材がなかったこの分野で「SCOPE」はパイオニアとなりました。今では、担当の皆さんの営業努力の甲斐もあって順調に売り上げを伸ばし、看板商品のひとつとなっています。デジタルデータエディションも西洋や東洋といったカテゴリーごとにシリーズを重ね、商品として厚みのあるラインナップになりました。最終的には独自の鑑賞教育を実践できるボードゲームの開発もすることになります。(エウレカボックスの話はまた別の回で)

「SCOPE」の商品開発に川上から携われたことは、デザイナーとして非常に有意義でした。完成した商品だけを見れば、デザイナーの仕事は綺麗な箱のパッケージデザインをしただけに見えるのかもしれませんが、ネーミングや商品構成などの根幹を多くディレクションせていただき、目標の可視化をしました。また私の提案を受け入れていただいた美術出版エディケーショナルの皆さんにも感謝してやみません。デザイナーがパーツを作って納品する時代はもはや過去のもの。多面的な関わりこそがデザイナーに求められる意義なのだと感じる案件でした。

http://yuyamadesign.com/jp/project-scope.html?#project-0

P.K.G.Tokyo ディレクター:柚山哲平

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