P.K.G. MAGAZINE | パッケージを考える

NEWS

サッポロのノンアルコールビール「うまみ搾り」が発売されました。

サッポロのノンアルコールビール「うまみ搾り」が発売されました。

6月23日に発売されたサッポロのノンアルコールビール「うまみ搾り」。こちらも弊社でデザインに携わらせていただきました。
スーパーでビール棚を眺めていると、ノンアルコールカテゴリには「内臓脂肪を減らす」「お腹周りの脂肪を減らす」「糖質ゼロ」など健康志向な商品がたくさん並んでいます。そんな中登場した「尿酸値を下げる」、うまみ搾り。尿酸値を下げる機能はノンアルコールビールテイストジャンルでは世界初。大麦エキスを使用したビールらしい美味しさに、尿酸値を下げる旨み素材のアンセリン。豊な旨みと、すっきりした飲み口に、うれしい機能まで備わりました。アンセリンとはマグロやサメなど長距離を高速で泳ぐ回遊魚の筋肉中に含まれているペプチドで、尿酸値を下げる働きがあるとされ、近年注目されつつある成分です。
パッケージでは、美しい青のグラデーションが金色の麦を際立たせ、ノンアルコールでありながらビールテイスト飲料としてきちんと美味しいことを表現しています。
尿酸値が高めの方にはとても嬉しい商品。ノンアルコールなので、お家で昼間から楽しめてしまうのも良いですね。

サッポロ うまみ搾り
パッケージ:350ml缶・6缶パック
品目:炭酸飲料
アルコール分:0.00%
発売日・地域:2020年6月23日・全国

P.K.G.Tokyo 横田栞

COLUMN

デザインの後日談: SORACHI 1984

2019.05.07

2019年4月、サッポロビール Innovative Brewerから「SORACHI 1984」が発売になりました。なんとも画期的で、爽やかに香るビールです。この現代的なビールのパッケージデザインをP.K.G.Tokyoが手がけました。パッケージデザインとして目指したものは「シンボリックなビール」。堂々としていて現代的、そしてそのパッケージを見れば味わいが記号的に蘇る。そんなアイコニックなパッケージを目指しました。

Innovative Brewerは、その名の通り驚きと挑戦でイノベーションを起こすべく生まれたブランドです。Innovative Brewerの新商品となる「SORACHI 1984」。このビールに使用されているホップ「ソラチエース」は北海道生まれの個性的なフレーバーホップで、その個性ゆえに国内では埋もれていた品種です。しかしその後、その個性はアメリカで脚光を浴びることとなります。そして2019年、令和を目前にソラチエースは35年の長い旅を経て、ようやく国内流通のビールとして凱旋。国内ではなかなか需要の伸びなかったソラチエースの復活劇は、エピソードとしてとてもドラマチックなものでした。

※詳しくはこちら
http://www.sapporobeer.jp/innovativebrewer/SORACHI1984/STORY/

このストーリーはSORACHI 1984のバックボーンとなり、とても重要な役割を担っています。ITの進歩がめまぐるしい昨今、エンドユーザーはインターネットを介し、あらゆる情報に触れ、自身の興味のある事柄は積極的に掘り下げて知ることが可能です。そうした社会の背景を受けて、商品開発の現場でもエンドユーザーの「知りたい」を前提とした開発は今や主流。このビールも例外ではなく、言うなれば「ストーリーとともに味わうビール」なのです。そしてストーリーはデザインを育て、愛着や信頼とともにブランドに成長して行くのです。

さて、デザインに話を戻しましょう。どの仕事でもそうですが、デザイン決定に至るまでには紆余曲折があります。今回も「シンボリックなビール」を目指すべく様々なベクトルの考え方が必要でした。結果、たどり着いたホップのアイコン化。非常にシンプルな表現です。しかしホップのアイコン化と一言に言っても、その表現の仕方は千差万別。さらには配置するアイコンの大きさやカラーバリエーションなど、細部に渡り幾重の検証が繰り返しなされました。どういった表現が届けたい相手に響くのか。多くの人に手に取ってもらうため、マスプロダクトとしてどの程度キャッチーにチューニングするべきなのか。担当者の方含め、関係者全員の選ぶ目は真剣そのもの。ポジティブかつ慎重に可能性を紡いでいった結果、とてもシンプルで華やかな表現にたどり着くことができました。そのシンプルな見た目からは想像がつかないかもしれませんが、SORACHI 1984はゴツゴツした原石を美しく整えるように、多くのディスカッションとチャレンジによって削り磨かれたデザインなのです。

「SORACHI 1984」はスタートを切りました。そのパッケージデザインの真価が問われるのは、実はこれからです。そもそもポテンシャルの高い味わいのあるビール。味が評価されるの当然です。「SORACHI 1984」が愛されるビールであるために、愛される顔に成長していけるかどうか。パッケージデザインの担う責任は小さくないと感じています。

P.K.G.Tokyo ディレクター:柚山哲平

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